老人の主張16
                 日本の動向と課題 悲観と希望

                            
        ななえせいじ
 
                                         
 コロナ感染はようやく収束に向かっているようです。感染者の数の問題ではない。相手はウイルス、この世に限りなく纏わりついている微生物、ここは仲良く共生していくよりほかないでしょう。問題はコロナ後の世界であります。
 この頃伝えられる報道は悲観的なことばかり、地球温暖化で壊れていく地球。それに連鎖して人も経済も会社も壊れていく。
 まず経済のことを考えてみよう。経済はまず規模の拡大を糧に成長し、グローバル化に呼応して成熟、そして鈍化衰退へと向かいました。さて次にどこに向かうのか、消滅?まさかとは思いますがグローバル化と共に部分的消滅はあるでしょう。M&Aとか合併、倒産、整理とかで合従連衡は繰り返されるでありましょう。このような社会現象は避けては通れそうにありません。
 例えばマンション。高度成長期にサラリーマンのステータスとして増え続けGDPを押し上げる役目を担いました。ここにきて厄介者の存在になりつつあるというのです。核家族化がもたらした弊害をもろに受けております。マンションばかりか分譲住宅も空き家だらけというのです。核家族、高齢化、人口減で資産価値を失い相続の行方も定まらず空き家となるケースが目立ってきております。建て替えるにも老い先短い所帯には荷が重すぎます。放置され空き家となっていくこれら住宅やマンション。この状況をメデイアは特集で報道しておりました。高度成長期のつけが回ってきたのです。
 高速道路のトンネルの壁が剥がれ落ちて多数の死者を出した事件、記憶に新しいが、こんな危険な箇所が全国に何万か所もあるといいます。経済の屋台骨を支えた高速道路が社会全体の縮小によってそのメンテナンスに多大な予算が必要とあって深刻な事態になっているようなのです。
 先だってのテレビ報道で地域住民の要望で造った橋が老朽化で使われもせず通行禁止になっているという話がありました。地域住民の要望で造ったはいいが過疎化まで考えが及ばなかったのですかね。こんな箇所が全国に何万か所もあるというのです。
 道路、橋、住宅、マンションといった経済規模の象徴であったこれら生活建造物にどう対応したらいいのでしょう。それだけじゃありませんよ。
 デパート、スーパー、商店街、本屋さん、あまたの中小企業までもが閉店廃業に追い込まれております。この根っこにあるのは人口減少と少子化にあります。
 ついに大学までも定員割れにより数の上で全員が入学できる状況とか。大学は事実上の義務教育化に向かっております。儲かる学校教育は岐路にあります。
 経済は限りなく全方位的に縮小に向かっているのであります。かつての経済大国日本はどこに向かうのでしょう。孫の代を考えるとこの老人の心配は尽きないのであります。

                 
 2023年2月15日
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