老人の主張15
                 少子化問題を真剣に考えよう

                            
        ななえせいじ
 
                                         
 今日本の少子化問題は高齢化社会とあいまって真剣に取り組まなければならない課題であります。人生百年時代の老人世帯よりも子供のことの方が重要であります。団塊の世代が後期高齢に達して何かと物入りの今が政治の力が最も頼りにするところであります。高度成長期に日本は経済大国になりました。お陰でいい条件で雇用は維持されました。その良い時代を謳歌して来た今どきの老人をカバーするより子供のことを真剣に考える時であります。とにかく少子化問題であります。お年寄りを大切にしましょうと言うフレーズはいかにも国民にやさしそうに見えますが、実態は甘える年寄りを助長するだけであります。
生産性のない年寄りを大切にするより未来の日本を背負う子供たちに希望を与えることが何よりも優先課題と思います。今こそ国の大切なお宝、子供達が希望の持てる社会にしていくことであります。
どうしたらいいのか、何かアイデアがあるなら老人の意見を聞きましょう。
そこで思います。まず雇用環境を変えることです。安心して働ける職場の提供。極端な話、高度成長時代の労働者はこぞって「ウチの会社」意識で働いておりました。昔に返れとまでは言いませんが安心して働ける場所を今こそ提供すべきであります。賃上げはもちろん大切ですが労使が対等な立場で労働契約が結べる環境にすべきであります。結婚したがらない若者が多数を占める現状をなんと心得ておりますか。日本では希望がないと日本を脱出する若者が増えているというNHKのクローズアップ現代という番組を見たでしょう。こうなったのは誰のせいでもない経済界が悪いのです。特に偉い人達、オーナーならともかくサラリーマン社長の既得権益ばかりが目立つ経済界のリーダの下で働けど働けどわが暮らし楽にならざるであります。これじゃ日本を脱出したくなりますよね。日本を脱出してフランス女性と二人のお子さんと暮らす事例が身近にいます。その人最初に就職した六本木のIT企業を一大決心して抜け出しアメリカに留学、起業してパリに渡り今は世界50か国と取引しているそうであります。この老人ははじめ批判的でありましたが今は納得しむしろ応援しております。こんな若者が山ほどいること政府は感じ取ってほしいのです。
少子化対策とは家庭が持てるだけの収入がありかつ不安なく働ける職場の提供が先決ではないか。非正規労働者を沢山作って労働コストを抑える手法は企業の経営にもはやプラスになりません。そして子供手当をバラまくばかりが少子化対策じゃないでしょう。子供中心の希望の家庭を増やすことであります。そのためにはまずもって非正規労働者を無くすること。差別された労働環境を沢山作っておいて「職業選択の自由」という言葉を都合よく使わないでいただきたい。職業選択の自由は全員正規労働者として働く職場があっての話。この前提が崩れているいまの日本。世界の低位置に成り下がっていく日本、こんなはずじゃなかった。政治の責任ですよ。
経済大国日本を取り戻すのは優れた従業員と安心して働ける労働環境にあります。終身雇用こそが大切。今風のリスキリングでなくして今までに培った技術力、働く意欲、忠誠心、愛社心、知り尽くした職場環境、人間関係等々、潜在能力はあるはずであります。終の職場として奉仕する心こそが学び直しの負荷よりずっと雇用価値があると思うのですがね。
この先急速に企業を取り巻く環境は変わるでしょう。大企業が軒並み不振に陥っていくという不安な予測すらあります。トヨタの社長が交代するそうです。あとを託された新社長も大変ですが、コロナ禍に規模の追求はもはや過去の成功事例と思っての勇気ある英断をなさったのでしょう。これ社会現象のサンプルになるのではないでしょうか。

                 
 2023年2月5日
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