老人の主張9
                            
        ななえせいじ
 
                      
 核家族のいま社会。老人所帯が多数を占める時代になりました。ゆえに孤立無援の独居老人が社会のお荷物になりつつあります。地域社会もなるべく関りを避け『気の毒に』で片付けてしまうこの頃の社会風潮って冷たく感じません。人生百年時代にただ生きているだけではつまらない。ここにきて国は自助努力を強いる傾向にあります。私はここ2か月の間でいろいろ感じました。人生初めて入院もいたしました。一人では何もできない厄介者と知りました。傘寿を過ぎれば気力は衰えます。今日何日で何曜日だったかなどと若い看護師さんに試されます。その時、体力の衰えを痛感しました。娘に何かと扶けてもらっていますがこの頃各種手続きに戸惑うことしきりであります。行政手続きは何かとややこしいのです。国はDXだのマイナンバーだのあれこれ国民に押し付けてきますがもっと簡潔にできないものかと感じました。例えば窓口で「あなたの名前はなんていうの」だけで諸手続きが進行していくというような工夫が必要ではなかろうか。もっと簡単に、もっとスピーデイーにを望みます。(善良な老人の戯言であります)

 このごろ聞きなれない言葉を耳にします。これ改革か進化か変化か。
 例えばリスキリング。国の目玉政策の一つだそうです。今月から受付が始まったというのですが「第四次産業革命スキル習得講座」といういかめしいネーミング。専門的・実践的教育訓練講座によりスキルアップを図るのが目標だというのですが国民のいかほどの人が挑戦意欲を湧きたてるでしょうか。崇高な政策には違いありませんがいったいどんな人が対象なのでしょうか。またぞろ申請書作成にたけた人間が虚偽の書類で国の予算をふんだくろうと企む人が現れんとも限りませんよ。学び直しという美辞麗句に踊らされ現職を棒に振る人が出ないとも限りません。それでも国はやった感が必要なのでしょうね。せっかくの目玉政策に水を差すつもりはありませんが、学び直して来いと送り出したはいいが実は大企業の人事策でリストラ要因に変化しないとも限りません。同じ予算を使うにも優秀な苦学生に援助したほうが国の将来の為になるのではありませんか。(すいません役立たずの老人の言うことです)
 次にインボイス制度。正式名称は「適格請求書等保存方式」というのだそうです。売上高が1000万円以上の事業者は対応が必要です。この制度の意図はきっと消費税導入時の益税防止にありそうです。そして帳簿を滞りなくつけさせて脱税予防を図るという意図も見えます。益税を消費に回す、いくらか景気対策にもなりますでしょう。もちろん贈賄事件摘発にも役立つでしょう。(すいません全く見当違いかもしれません。
 とにかく世の中の変化は激しい。こんな難しいことに気を回さずとも自分のことをしっかりやりなさい。(ごもっともです)

                 
 2022年10月25日
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