年寄りのたわごと
                  あんたにいわれたくない(2)
                                                   ななえせいじ

 すんなり菅内閣発足の運びとなりましたね。正直なところ、国民の一人としてわたくし的にそれほど悲観したものではありませんでした。なんて言ったって菅さんのルーツが秋田というのが好感の理由。秋田は、裏日本(?)のへき地、歴史上でも取り残されてきた地域であります。職場の先輩で秋田出身の人がいました。菅さんみたいに苦学して中央大学にすすんだ辛抱強い人でした。飲み会があると必ず秋田民謡「ハタハタ」を歌ったものです。同じような土地柄の新潟出身田中角栄も辛抱強く常に国民に寄り添った政治を心掛けていたように思います。菅さんは、「安倍政治を踏襲しつつも派閥にこだわらない」「仕事のできる人を登用する」と言っておられましたから、邪魔が入ったとしても持ち前のたたき上げ精神、打たれ強さを発揮し、頑張る人が報われる社会にして貰える期待感があります。決して雄弁でないが芯の強さを感じます。これまでいい思いをしてきた安倍政権の近くにいた人たちは手のひらを返してくることもありうるでしょうからご苦労なことではありますが、たたき上げの底力を発揮してほしいのであります。
 内閣の顔ぶれは長期政権の後だけに驚天動地の人事はひとまず控えたのでありましょうが、いずれは国民の信を問う選挙をやらねばならない、となれば問題山積の国内情勢下、新内閣は随所に国民の期待に副う政策を打ち出さねばならないでしょう。最大与党の特権でもあった論功行賞の手のうちも限られてくる。総理の派閥にとらわれない我慢強さと仕事の能力から評価する本来の人事に立ち返ってもはや数の論理に従わない政権運営を国民は期待しているはずであります。これこそがポストコロナの政治の在り方と思うのです。ここでは「悪夢の民主党政権」とまで言わないが、あの時代に帰ってほしいしとも、帰りたいとも思わないまでも今より変わってほしいのであります。活力をなくした国民は、政府の力に依りそうほかないのでありますから。
                        
                 2020年9月17日
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