歳在壬辰 卯月抄  服 部 清 人

伊賀上野にて十句
こころに吹く無宿漂泊春の風

眼の前の無常の花が雨に降る

漂泊のおもひはやまず伊賀の春

さきのことはわからぬといへ無常春

花のみかなべて無常としれぞかし

眼に触れるものみな無常花の散る

結末はもう少し先花を見る

あやし桜ばせをの孤独いやされず

蕉翁も花湯などしてほっと息

花の雨刹那刹那とうつろひぬ

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