歳在辛卯 如月抄  服 部 清 人


春愁やつひ憂国の死語想ひ

画を売りて浮世の義理を買うて春

転居先不明の印の滲む春

芳名にて東京の人と知る二月

春愁や愛する国の壊れゆく

節分や福は内だけ連呼せり

年の数だけの豆食べ鬼は外

如月は衣更着と書く腹に落つ

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