老いぼれ探偵の街角ウオッチ_9 
     
                経済の構造が変わっていく

                                                    ななえせいじ
 
 悪名コロナが皮肉にもいろいろなことに気づかせてくれました。その一は「消費」構造であります。景気動向の60%を占めるのが「個人消費」であります。その消費が、IT、スマホ、などなどの急速な普及によって物の消費の在り方が変わってきました。ここにきて特に老人と若者の世帯間格差を感じます。通販という消費手段が普及し、いかなる山奥に住んでいようとも物が届けられる仕組みが国中に行き亘ってきました。しかし一方で買い物難民を生み出しています。便利なはずであったコンビニがインコンビニという皮肉を生んでいます。その結果消費経済は、老若男女はもとより金持ちか貧乏人か、都会人か田舎者か、雇われ人か経営者か、などなど学歴、職歴などあらゆる属性にわたり社会のバーコードによって仕分けようとしております。マイナンバー、クレジットカード、ポイントカード、携帯電話に至るまで個人情報はあらゆる方面から洩れていくのである。
 こんな社会、便利かもしれないが怖くない? スマホの操作一つで、契約が成立するのですからやっぱり怖いよね。見てみて、触ってみて、というように品定めが出来ないし、実際思惑外れの 買い物になってしまった失敗談もかなり聞こえてくるのです。テレビ通販の場合、巧妙なCMの口上に乗せられてしまったという事例だってある。
 消費経済の中身は、無店舗でもやれるメリットはあるが、決して骨太とは言えず、むしろ骨粗鬆症(こつそしょうしょう)気味ではないでしょうか。かつて大量生産、大量消費が消費経済の骨太の部分でありました、神様である消費者をいささかないがしろにしてきた嫌いがありました。この反省のもとに消費経済は格段に進化しました。
 このような便利の推進力は企業間競争激化にあります。企業は常に勝ち組にありたいと思いますから、自社の販路を広げた結果なのです。
 消費経済は消費の動機付けをいかにするかにありました。製品、商品、製造物はビジアルな存在だけにとどまらず、いかに人間に寄り添って付加価値につなげていくかにありました。これからの消費経済の中身はかつての大量生産時代と打って変わって物の値打ちが問われる時代になったのであります。
 そのキーワードは、大量生産時代から少量生産時代への変化であります。業界、業種によってはもうとっくに方向転換しいるでありましょう。わかりやすく、現在の不況業種を見ればわかります。大量生産、大量供給で市場を席巻してきた業種は、今は否が応でも方向転換していかなければならなくなりました。このために皆が苦しんでいるのであります。一例を挙げればマスメディア。アメリカでは新聞社が破綻したというし、日本の新聞社だってかなりの部数を減らしているそうです。新聞は判るけどテレビも? CATVのほうが地元に密着し、つくりは素人っぽいけど悪くない。それに大きなものに気を遣わなくてもいい(実際は気を遣っているのです)。
 消費構造は、大型百貨店のような全方向的な店構えからむかしの商店街のような対面販売が復活するかもしれない。物を売るだけじゃなくて、消費者とのコミュニケーションを大切にし、はては人生相談までとなればさびれゆく商店街も賑やかさを取り戻すでありましょう。 
                         
                2020年3月18日 生々文庫目次に戻る
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