老いぼれ探偵の街角ウオッチ_20
            人間は欲得にて本来の道筋より脱線して苦しむ(1)

                                                    ななえせいじ
 
 アベノミクスの中身までよくわかりませんが、政府が自信ありげにいうのですから景気指標は良くなっているのでしょう。そこに突然降ってわいたコロナ災難。事態は多数の不幸を呼び込んで深刻化するばかり。仕事を失い、住むところもなく、お金もなく、やむなくたどり着いたのが生活保護相談所。こんなみじめな話、ここは日本国なの? 政府のいうことなすことに安心感がない。しかも決断が遅いから救いになっていない。今ほど国のリーダーシップが問われる時はない。あの強烈な個性で国を引っぱった田中角栄の言葉が思い出される。
 「政治家を志す人間は、人を愛さなきゃだめだ、人に話すときは借り物でなく自分の言葉で全力で話せ」
 政府が生活支援を決めた国民一人当たり10万円。これにはあとから回収できる目算があってのことでしょう。戦後の超インフレをご存知ですか。現存する90歳代のご老人なら記憶に残っているはずであります。お札を刷ってインフレを誘導して国民の財産を目減りさせた分政府の負担は小さくなる。であるならば100兆円の予算も決して重いものではない。しかし国民の立場は自分の財産は自分で護る、であります。こんなわけで貨幣価値が下がることを見越してコロナ後の資産形成は、現金より不動産の方が安全かもしれませんよ。金塊も悪くない。(でも自己責任ですよ)
 その不動産であります。テレワークの普及で考えさせられるのは、大企業ほど在宅勤務向けシステム導入が急拡大していくはずでありますから、大きな事務所の何割かに余剰が出てくるはずであります。立地条件のいい空き部屋へ少し郊外の事務所が移転してくることになる。つまり不動産需要は便利な都市の内へと高まります。かつてのドーナツ型から逆ドーナツ型へと需要がシフトしていきます。在宅勤務の大手企業の社員は狭いマイホームで家族団欒が取りにくいから会社近くの便利なワンルームマンションへ脱出を図ろうとするでしょう。亭主元気で留守がいいを維持しようと思ったら、まず通勤地獄からも解放され、自分用の仕事場としてワンルームを確保しようと思うでしょう。かつて悪名高い投資用ワンルームマンションは再び復活するかもしれない。
 ひきこもって3か月にならんとしますが、この間私自身の生活も多少のストレスを感じながらも一応無難に過ごしております。会社勤めはしておりませんからオンラインによる在宅勤務の体験もありません。しかし2人の息子は不規則勤務でコロナと戦いながら勤めを全うしているようであります。その励み振りに頭が下がります。
 当の私は趣味の茶の湯イベントがすべて中止となり、親しい友達に電話をかけるくらいでテレビのお守をしております。家庭内では世間にいうところのDVは勿論、互いにいたわりながら、かつ濃厚密接を避けながら静かにコロナが過ぎるのを待っております。母の日、娘は女房にカーネーションをプレゼントしてくれました。元気?と廊下から顔をのぞかせただけで帰っていってしまいました。この断密振る舞いはコロナのせい? そういえば若い力士がコロナで死んだ、というニュースを聞いたばかりです。明日は緊急事態宣言解除というが大丈夫かいな。
                        
                 2020年5月13日
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