老いぼれ探偵の街角ウオッチ_19
                    新しい生活様式、を考えてみる

                                                    ななえせいじ
 
 日本経済にかくも停滞した時代があっただろうか。これまでは常に右肩上がりで推移してきたように思います。私は、高度成長期も人手不足で引く手あまたのバブル時代も知っております。自分には能力がなかったのに幸せなサラリーマンを通せたのが不思議に思えたほどです。
 戦後の日本の産業は国策ともいえる重厚長大型から軽薄短小型へと変貌を見せました。その過程でオイルショックやら円高不況やらリーマンショックやら近時は貿易摩擦などその都度難題を乗り越えてきました。日本人の忍耐性、努力性、研究性、誠実性が底力にあったからだろうと思います。
 しかしここにきてコロナ問題に直面し、経済という銭勘定だけでは乗り切れない困難を前に四苦八苦しております。これまでの「成長願望志向」からの方向転換を迫られているように思えてなりません。確かに成長路線は多くの幸せを国民に与えてくれました、一方で少なからず不幸せをもつくってきました。それが今日の格差社会に繋がっているのだと思います。不謹慎な言い方をすればコロナは「いい転換期になった」ともいえそうなのです。
 自由な視点から勝手な発言が許されるならば、コロナ後は「才色兼備」型経済構造にシフトされる。才色兼備とは天は二物を与える、というような意味合いがあります。これからは企業も人も一物一価ではダメ、つまり何にでも適合できるマルチでなければ生き残れないというような厳しい社会がやってくるということなのです。そこで才は知恵、色は食糧、兼は健康、備は微で遺伝子や微生物などの世界。例えば超性能のコンピューター、ミクロの精密機器が人間の知恵により進化し、あらゆる可能性を人間に与えてくれる時代が目の前にきているのです。しかも人間の想像をはるかに超えるスピードなのです。
 もう一度繰り返しますと、才は付加価値のこと、特に値打ちのないものは誰もほしがりません。通販が良い例であります。色は食のこと。日本の食糧自給率は極端に低いので世界から兵糧責めにあったらひとたまりもありません。この分野はもっと真剣に育てるべきと思います。研究熱心な国民性ですから育てがいがあると思いますよ。兼は健のこと。健康関連は特に生活習慣病に対応した日常生活の在り方に即した野菜や魚類はじめ特に農業分野は期待できます。備は微細菌、ウイルス、医薬関連。味噌・醤油・酒などの酵母菌も含む。サプリメントも含めたこの分野の市場規模は大きいようです。コロナのような疫病菌に対応したワクチンの開発が急がれておりますが、医化学分野は勿論、医療などの精密機械。また、半導体をはじめとする光学医療機器や電子機器。重厚長大も軽薄短小型も過去へと追いやられていくのでありましょう。
 コロナバンデミックは第二波も第三波もあるだろうと専門家は予測をしているようです。ここが我慢のしどころ。堪忍は無事長久のもと、とか言います。
                        
                 2020年5月10日
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