老いぼれ探偵の街角ウオッチ_10 
     
            見たこともない新世界がやってくる

                                                    ななえせいじ
 
 このコロナ騒動で「テレワーク」という働き方がかなりの企業で半ば試験的にとはいえ、導入するところが増えてきました。加えて、会議好きな日本企業は、テレビ会議も同時に導入し始めました。今後とも多くの企業は躊躇なく導入していくでしょう。
 まず、通勤の形態が変わるでしょう。その結果、通勤地獄がなくなる。よって事故も減るし、時間も有効に使えるようになる。企業の憲法ともいえる社規、社則も変貌するでしょう。就業規則といういかめしい社内規定が変わるのだから、あとは自己裁量による自己管理しかない。上司とのストレスも解消されるはずです。これは奇想天外な発想のようにみえますが、コロナの置き土産となるかもしれませんよ。夢想は続く。
 将来的には、雇用契約はなくなり、社員という呼び方もなくなり、仕事を下請けるというか、つまり個人事業主として会社と関わり、年金拠出金は個人事業主の自分が払う。

 コロナウイルスが終息したとしましょう。その時、日本経済の構造は元の姿に戻っていくでしょうか? 何らの確証もないわけだからはなはだ心配であります。軽々には申し上げられませんが、60~70%くらいと思った方が経営の舵に大きな狂いは生じないでしょう。仮に予想以上にリバンドしたとしても多少儲けそこねたと思うくらいで大きなダメージを負わないと思うのです。転ばぬ先の杖というように、少しでもリスクを避けるためには元気なうちに対策を講じておくべきであります。誰もが考えるのは、積極的に売り上げを維持しようとする思いでありましょう。市場は、どの分野も物であふれすでに飽和状態にあります。同じ土俵でライバルに勝つためには、よい販売を心がけるよりほかないのであります。いい販売って?消費者を味方につけること。無我無欲にして口数少なく、顧客をいい気持ちにさせることであります。少なくともしつっこく迫らないこと、何より大切なのは、自社の製品に自分自身が惚れ込んでいるかであります。こういうことは、にわかな社員教育で出来るものではありません。社員の一人一人がどういう家庭環境で育ってきたかが、実は大切なのです。いい人材の確保に大企業ほどシャカリキになるのは、その人の育ち方を観察するにあります。面接は人間柄を観るにあります。が、採用する側の係りの素養はわかりませんから、結局のところ、いい大学とか学歴、成績、出自といった点に重点が置かれることになります。学歴のない人は、自分で自分に付加価値をつけるよりありません。焦らないで、定年先まで見越すことも大切であります。
 問題は、安定した経済状況にならされてきた多くの企業は、今まで危機に直面したことはありません。このウイルス危機下でも自己ファーストの傲慢姿勢を維持してきています。「採用内定取り消し」、などはもってのほかであります。コロナによる自宅待機の非正規社員は手当が出ない、というのもやはり傲慢の誹りを免れないでしょう。政府は、これに対し前向きな対策を表明したようですが、個人格差、企業間格差は必然の成り行きになっております。特に採用については、業績悪化が理由とはいえ当初の予定通りに実行してほしいのです。卒業を前にして採用取り消しとはいかにもケツの穴が小さいじゃないか、とののしりたくなります。 
                         
                2020年3月22日 生々文庫目次に戻る
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