歳在壬辰 文月抄  服 部 清 人

台湾台北にて十二句
大声の人多き島汗にじむ

炎天に大声の人多き島

いかめしき漢字の多き島の夏

ことごとく漢字の国ぞ蝉時雨

翡翠この涼しき響き時は過ぐ

為政者の息かかりたる金魚瓶

衛兵は汗光りても動かざる

異国にて茶房汗ひく茶味くらべ

美しきもの満つ館や緑蔭に

畫数の多き漢字や島の夏

郊外へ抜ける高速夏の雲

衛兵の一糸乱れず蝉時雨

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